屋外監視カメラは今や安価になって、スマホからも簡単に操作できる時代になっています。
バッテリ内蔵型も登場しており、より簡単に設置できるようにはなっていますが、固定設置における有線電源(ACアダプター等)には敵いません。有線電源であれば常時電力が供給されるため、常時録画や各種センサー類をフル活用することで、カメラ機能を最大に生かすことが出来るためです。
有線電源式は今後も主力です。
映像ケーブルの配線はWifi整備や集中管理機器の無線対応によって、ほぼ最近の製品では不要になりましたが、電源ケーブルの配線は必ず悩むところです。出来れば穴はあけたくありません。
本記事では、DIYによる有線電源式の屋外監視カメラの設置や配線方法についてご紹介します。今後設置される方のご参考になれば幸いです。
以下、目次となります。
パターン整理
ご家庭・店舗などによって色々なパターンがあるため、ここで一旦整理します。
設置や配線の問題 | 解決策の提案 |
---|---|
屋外用のコンセントが無い。 | ・屋外コンセントを増設する。 ・室内に引き込む。 |
カメラ固定方法がわからない。 | ・壁に直接固定する。 ・配線ボックス上に固定する。 ・ポールに固定する。 ・両面テープで固定する。 |
ケーブルの配線に悩む。 (室内引込や、綺麗に配線をしたい) | ・配線ボックスを利用する。 ・配線モールを利用する。 ・エアコンダクト、換気口を利用する。 |
では、ざっくりと整理できたと思いますので、以下に絞って書いていきます。
- 屋外カメラの固定方法
- 配線や室内引き込み
※屋外コンセント設置は状況によっては電気工事士の免許を保有する方に依頼しないといけないため、業者さんへの依頼が良いです(本ページの後半でも軽く触れますが安くて1万~2万円、高くて5万円は下らない)。
屋外カメラの固定方法
監視カメラには台座が付属しています。
この台座を利用して自宅の「壁」「屋根の軒下」「玄関の天井」などに設置、固定する必要があります。
難易度中~高:壁や軒下に直接固定
ここでいう「直接」というのは壁などに「ビス」で穴をあけて固定するということです。穴をあけるため後戻りは出来ません(失敗した場合はパッキン等で塞ぐ手もなくはないですが、ご家族の反発が予想されます)。
カメラ製品によっては、設置マーカーやビスが同梱されているため、目印を付けた上でビスを打ち込むことが出来ます。設置する壁によってはビスが空回りしないように「アンカー」も必要です。
壁(木材等)によっては通常のビスだけでも問題ありません。なかなか勇気が必要ですが、上手く出来れば、ガッチリと固定は出来そうです。
※配線については別途。
難易度中~高:配線ボックス上に固定
配線ボックスとは配線類(分岐ケーブルやアダプタ等)を入れる箱のことです。配線ボックスには監視カメラ設置に適した種類があります。
※上記商品の基本型番は「PV4B-ANF1」です。グレー、ベージュ、ミルキーホワイトによって正式型番は異なります。また、類似商品として「PV4B-ANF」がありますが、こちらは側面の穴が複数あります。
この商品を使えば、配線ボックスに監視カメラを固定することが出来ます(台座接地面に複数のネジ穴があるのがポイント!)。さらに、監視カメラによっては余分な配線を箱内部に入れることが出来るため、配線問題もある程度解消します。
ところで、配線ボックスはどうやって固定すれば良いのか・・・?
次の選択肢があります。
- ビスで壁に穴をあけて固定する。
→ ・・・結局穴を開けるんかいな。 - 配線ボックスの両面テープを張って固定する。
→ 両面テーブルで固定のところでも詳しく説明します。 - 配線ボックスにバンドを通してポール等に固定する。
→ 上記商品はバンド(幅10mm)が通せるようになっています。
難易度低:両面テープで固定
監視カメラの「重量」にも依存しますが、両面テープで固定する選択肢もあります。
※配線ボックスを固定する場合も同様です。
屋外用の両面テープ(3M製が最高)には色々な種類があり、用途に応じて最適なものを利用すれば、かなり強固に接着することが出来ます。
ここで両面テープ利用時の注意点です!
なお、台座側の接着面が少ない場合は、接着面が増すように工夫したほうが安心です。
↓次の記事では接着面を増やす工夫をしています↓
難易度低:ポールに固定
ポール(長細い棒、パイプ)が近くにあれば、そこに監視カメラを固定しちゃいましょう。例えば、ベランダの物干し竿に固定している方は多いです。カメラ向けの固定工具って結構たくさんあって、値段もお手頃です。
取り付ける際は、ポール強度に問題がなさそうか確認しましょう。特に重量級(1kg以上)の監視カメラは負荷がかかりやすいです。さらに、ステンレス製のバンドは取付作業時にケガをする可能性があるため、手袋をして作業してください(実際の取付方法はyoutubeにも多くの動画があります)。
配線や室内へのケーブル引き込み
配線
配線ボックスの箱だけあっても配線はどうすればいいんだろう?
配線ボックス前提の場合、対応品であるPF管及びPF管コネクタを配置します。また、PF管専用の固定具(PF管 片サドル)もありますが、耐久性の高い結束バンドでポールなどに固定するのも選択肢です(たまに見かけます)。
業者さん対応の場合、この配線ボックス+PF管の利用が大半です。信頼性があって確立された方法なのでしょう(ケーブルの劣化が防げる)。
配線ボックスを使わない場合(例えばポール固定や両面テープ固定)は?
PF管や電線モールを利用するもの選択肢です。連結部分や出入口はビニールテープや自己融着テープを利用してしっかりとシールドしましょう。
目立たない設置場所で日常的に雨に濡れない場所であれば、目立たないように線をそのまま敷いてしまうのも選択肢です。線自体は配線止め金具(ケーブルフック、電源コードホルダーとも呼ばれる)を利用してしまいましょう。
電源ケーブルの引き込み
最後に屋外コンセントが無いため、室内にケーブルを引き込みたいがどうすればいいんだろう?
主な選択肢は次の通りです。
- 換気口を通す。
- エアコンダクトを通す。
要は既存の室外・室内の出入口を使うのです。
他の方法として、中には窓サッシを通す方法もありますが、窓が閉まらなくなる可能性がありますし、対応商品は高額のため避けたほうが良いです。壁に穴を開けて通す方法は、何があるかわからないのでDIYでは止めましょう。
難易度低~高:換気口を通す
換気口を通す方法ですが、換気口の見えない部分を一部削らないと線が通らない可能性があります。大抵はプラスチックのため大きな問題なく削れるでしょう(ハンダゴテ等で溶かす選択肢もあり)。こちらのほうが次のエアコンダクトを通すよりも簡単です。
ただ、設置場所によっては通すのがそもそも難しい場合もあるため、その場合は事故防止のためにDIYは諦めましょう。プロが確実です。
難易度低~高:エアコンダクトを通す
続いて、エアコンダクトの方法ですが、エアコンダクトとエアコン本体の場所によって難易度が全然違います。室内から見たエアコンダクトが露出していれば大きな問題なくケーブルを通すことが出来るでしょう。ただし、接合部にパテがある場合は一旦取り除かないといけない可能性があります。
室内から見たエアコンダクトが露出しておらず、エアコン本体に隠れている場合は、エアコン本体をずらさないと難しい可能性が高いです。もちろん、外側のエアコンダクトが危険な場所にある場合も、この限りではありません。プロへの依頼を検討しましょう。
難易度低~中:窓のサッシを薄型ケーブルで通す
具体的には次の製品を利用します。
サッシ部分に両面テープで固定した薄型ケーブルを使うことでケーブルを室内に取り込みます。後述するアダプタケーブルの延長製品(内径も同じ)と組み合わせることで、かなり万能な手段となりえます。
ただし、窓を何回も開け閉めするような場所は、ケーブルへの負担が増して切断の可能性もあるため注意しましょう(開け閉めが少ない側に通す等)。
補足:アダプタケーブルの延長策
アダプターのケーブルであれば細くて取り回しが簡単です。しかし、アダプターのケーブルの長さは約「1.5m」程度と短いため、多くの場合で室内まで足りません。
だから仕方なく、室外で延長用コンセントにACアダプターを挿して・・・って前に、アダプターのケーブル延長を検討してください。インターネットで探せばそんな延長ケーブルあります。
※アダプターのコネクタサイズは何種類か存在します。例えばTP-LinkのC310(tc65)やC320wsは「外径が5.5mm」「内径が2.1mm」でした。大半の製品は「外径5.5mm」だと思いますが、内径は「2.5mm」の可能性もあるため、よく確認してください。
延長ケーブルの接続部はしっかりと防水テープや自己融着テープでガードしましょう。
こうゆうときUSBケーブルであればあまり悩まなくて良いんだけど、まだまだUSBケーブルの監視カメラは少ないです。
補足:ACアダプタは防水ではありません
屋外にコンセントがあったとしても、ACアダプタ自体は防水ではない製品が多いです。
よって、
「コンセント → ACケーブル → ACアダプタ(配線ボックス)」
という構成が普通です。
DIY無理でしょ?って方向け
各家庭や店舗によって設定場所は条件は様々だと思います。屋外監視カメラを買ってみたものの、DIYは敷居が高いって思われることもあると思います。
配線や設置だけ、業者さんに依頼するのも選択肢です。業者さんに配線ルート確保や初回設置してもらえれば、将来的なカメラ交換ぐらいであれば、恐らくDIY可能でしょう。
※実工事料金は、2万~3万円程度じゃないかなって思います(絶対に見積りしましょう!)。
※ただし、屋外コンセントの設置とかも含めると、それなりに大変のため、この限りではないでしょう。状況によっては5万円以上かかってしまうケースもあります。
あるいは、バッテリー式の監視カメラであれば、冒頭に記載した通り性能は劣りますが配線は不要であり、一時的なお試し設置にも向いています。
まとめ
設置場所によって色々なDIYによる選択肢があります。
実際にやってみると簡単な場合もありますが、現状況や場所によってDIYでは難しい場合もあるかと考えられます。カメラ設置のルート確保(初回配線)を業者さんに依頼するというのも選択肢です。これから対応される方はよく検討された上で実行いただきたく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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