EC2バックアップの取得方法は手動イメージ作成や、Data Lifecycle Manager(DLM)などがあります。本記事ではEC2インスタンスにおけるバックアップ取得方法の種類について記載していきます。
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2022年2月時点の情報を元にしています。
本記事でのEC2バックアップは「AMI」単位として扱います。
AMI取得はスナップショット取得の上位互換です。AMIを取得すればEBSのスナップショット(バックアップ)に加えて、コンピュータの構成情報も取得出来ます。構成情報とは プラットフォーム、アーキテクチャ、仮想化タイプ、ルートデバイス名、ルートデバイスタイプ…等です。AMIがあれば「EC2インスタンス」自体を消してしまっても、簡単に復元することが出来ます。
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昔はAMI単位のバックアップは取得出来ませんでした。昨今のAWSはAMI単位でのバックアップ取得が容易になり、非常に便利になったと感じます。
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それでは本編いってみましょう!
取得方法の種類
現時点は以下の選択肢があります。
- 手動バックアップ
- Amazon Data Lifecycle Manager (DLM)
- AWS Backup
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昔はスナップショットしか対応していないサービスがありましたが、今では上記手段のすべてでAMI単位のバックアップが可能となりました。
バックアップは定期的なスケジュールを元に実行するものです。そのため通常は「DLM」か「AWS Backup」が選択肢になります。ただ、どちらも対象リソース(EC2)をタグで指定し、バックアップ保持期間(世代)の管理も実施してくれます。
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AWS BackupとDLMの違いがわからない・・・。
Amazon DLMとAWS Backupの違いについてまとめてみます。
Amazon DLM | AWS Backup | |
---|---|---|
バックアップ対象 | EC2, EBS | EC2, EBS, RDS, EFS, DaynamoDB, … |
サービス形態 | EC2サービス内の1機能 | 専用サービス |
スケジュール数 | 複数可 | 複数可 |
スケジュール定義 | 時間やcron | 時間やcron |
バックアップ保持期間 | 日数指定、個数指定 | 日数指定 |
コールドストレージ移行 | ー | EFSのみ |
VSSの有無 | × | ○ |
AWS BackupはEC2だけでなく、他サービスのバックアップも一元的に管理できます。基本的にはAWS Backupを利用しておけば間違いないと思います。
- VSS
⇒ Volume Shadow Copy Serviceの略です。事前設定やOS、アプリ等のサポートが前提となりますが、インスタンスを停止したり再起動することなく整合性を保ってバックアップ出来るのは良いことです。静止点取得とも言ったりしますね。 - AMI誤削除に強い
⇒ AWS Backupで取得したAMIはEC2のAMI一覧から手動削除することが出来ません。一元管理というだけあって削除はAWS Backupから可能です。(ただ最近は、EC2のAMIメニューに「ゴミ箱機能」がついたのでDLMだったとしても削除→リカバリは可能になりました。) - タグコピーが強い
⇒ タグコピーとはインスタンスのタグ情報をバックアップ(AMI・スナップショット)にもコピーする機能です。DLMはスナップショットにインスタンスのタグがコピーされません(タグが付与されません)。コスト管理の観点でスナップショットにタグが付かないのは困ります。AWS BackupであればAMIにもスナップショットにもタグがコピーされます。
*2022年2月時点の情報です。将来的にDLMでも上記はサポートされそうな気はします。
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DLMにおけるタグコピーの問題は結構痛いです(不具合なのか仕様なのか・・・?)。この問題が無く、EC2主体の管理であれば、DLMも十分選択肢になりえます。DLMはシンプルな分、操作が直感的でわかりやすいんですけどね・・・。
まとめ
EC2バックアップ取得方法の種類をご紹介しました。
- 手動
- DLM
- AWS Backup
といった選択肢がありますが、基本的にはAWS Backupを利用するのがベストと考えます(現状の仕様から考えるとDLMを利用する選択肢が思いつきません)。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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