AWS上のサーバでwindows共有(CIFS)を使いたい。
AWSのフルマネージドサービスとしては「FSx for windows」があります。他に自分でWindowsEC2を立てても同じようなことが出来るはずです。コスト含めて簡単に違いを書いていきます。
では書いていきます、以下目次です。
選択肢について
現時点で思いつく限りは、以下の2択になります。
- Amazon FSx for windows
- EC2構築
Amazon FSx for Windows
FSx for Windowsについて
フルマネージドサービスです。
FSxはVPC内に存在してADにWindows ADを指定可能です。構築はマネジメントコンソール上から数分で実施できます。また、エンタープライズな仕様にも耐えられるスペックを持ち合わせています。
構築後はデフォルト共有フォルダ「share」が作成され「\\宛先\share」でアクセス出来ます。フォルダのACL設定等はWindowsサーバより設定します。
FSx for windowsのコスト
AWS公式サイトに詳しいコストは載っています。
https://aws.amazon.com/jp/fsx/windows/pricing/
試しに、最も低価格で利用する場合のコストを計算してみます。
コスト構成と値は以下とします。
- タイプ:シングルAZ
- ストレージ容量:2000GB(シングルAZ最低値)
- スループット容量:32Mバイト(最低値)
- バックアップ容量
※転送料金はVPC内であれば無料です。Direct Connect等、外部転送する場合はコスト発生しますが割愛します。
項目 | コスト(USD) | 計算式 | 補足 |
---|---|---|---|
ストレージ容量 | 32 | 2000*0.016 | 毎月の GB あたり 0.016USD |
スループット容量 | 81 | 32*4.5 | 毎月の MBps あたり 2.530USD |
バックアップ容量 | 100 | 2000*0.05 | 毎月の GB あたり 0.050USD |
合計 | 213 |
なお、初回以降のバックアップは差分のため+αが費用としてかかります。外部転送が発生しなくても毎月これだけの費用が発生することになります。
自分でEC2を構築
自分でEC2を構築について
特に専用サービスは利用せず、自分でEC2を作成して共有フォルダを設定して管理していきます。
WindowsOSでも良いですし、LinuxOSでSambaを使っても良いと思います。
自分でEC2を構築のコスト
FSxの場合と同じように、最低限の運用コストを考えてみます。
コスト構成と値は以下を元にします。
- EC2タイプ:Windows@t3a.medium
- EC2稼働時間:30日(1カ月計算)
- EBS容量:10GB(OS部)+2000GB(Data部)
※EBS種別としてOS部はStandard, Data部はSC1とします。 - バックアップ容量
※転送料金はVPC内であれば無料です。Direct Connect等、外部転送する場合はコスト発生しますが割愛します。
項目 | コスト(USD) | 計算式 | 補足 |
---|---|---|---|
EC2稼働時間 | 48.5 | 0.0674*24*30 | 時間辺り0.0674 USD |
EBS容量 | 37.2 | 10*0.12+2000*0.018 | standard:毎月のGBあたり0.12 sc1(cold):毎月のGBあたり0.018 |
バックアップ容量 | 100 | 2000*0.05 | 毎月の GB あたり 0.050USD |
合計 | 185.7 |
なお、初回以降のバックアップは差分のため+αが費用としてかかります。外部転送が発生しなくても毎月これだけの費用が発生することになります。
最低限の構築とした場合のコスト結果を見ると、FSxのほうが若干高いという結果になりました。FSxのスループット値が意外とコストを占めています。
(補足) ウィルススキャンについて
FSX for windowsのウィルススキャンは機能としては存在しないため、利用者自身で適当なEC2にドライブをマウントして定期的にスキャンする必要があります。
マウントして定期スキャン?時間かかりそう。
ファイル数によっては数週間かかるかもね。
その一方でEC2で構築した場合は、EC2内にウィルススキャンソフトを導入していればリアルタイムでのスキャンが可能です。地味だけど魅力的なメリットの1つです。
※Amazon FSx for NetApp ONTAPであれば、ウィルススキャン機能を持っているようです。
https://aws.amazon.com/jp/fsx/netapp-ontap/
まとめ
AWSを利用したWindowsファイル共有は現時点で「Amazon FSx for Windows」「自分でEC2構築」があります。簡単なのは「Amazon FSx for Windows」ですが、FSxのほうが若干コストは高いです。ただ、FSx for Windowsはスケールアップが簡単で、SSDのマルチ構成を採用すれば、数ミリアクセスで大規模利用も可能です。自分でEC2構築は、小規模チーム内で使いたいだけであれば選択肢になりえますが、基本はFSxの一択になると考えます。
比較項目 | FSx for windows | EC2 |
---|---|---|
導入手頃さ | ○ | △ |
コスト | △ | ○ |
拡張性 | ○ | △ |
可用性 | ○ | △ |
性能 | ○ | △ |
今後は「Amazon FSx for Windows」で困惑した点なども紹介していきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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