GitHub Copilot SpacesがGAに!Knowledge Base後継の“文脈共有プラットフォーム”を触ってみた

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GitHub Copilot Spaces(以下「Spaces」)がついにGA(一般提供)されました。
聞き慣れない機能名ですが、これは「Copilotにプロジェクト固有の知識やルールを教え込む」ための新しい仕組みです。

GitHub Copilot Spaces の作成 - GitHub Docs
関連するコンテンツを整理して一元管理するスペースを作成することで、特定のタスクに沿ったコンテキストで Copilot の回答を得ることができます。

以前からCopilot Enterpriseでは「Knowledge Base」という機能がありましたが、それが廃止され、より柔軟で扱いやすいSpacesへと置き換わります。

少し触ってみたので、概要と活用のヒントを整理しておきます。


GitHub Copilot Spacesとは?

どんな機能?

ひとことで言えば、Copilotに“自分たちの知識”を共有するためのスペースです。
プロジェクト固有のコンテキストをひとつの「Space」としてまとめ、Copilotに理解させることができます。

主な特徴は次の通りです。

  • 複数ソースをまとめて登録可能
    • RepositoryのコードやPR、Issue
    • 任意ファイル(ローカルファイルのアップロードもOK)
    • カスタム指示(Custom Instructions)
  • 個人/組織単位で作成可能
    個人Spaceだけでなく、Organization単位で作成すれば、組織メンバーと共有できます。
  • 常に最新の状態を反映
    登録したリポジトリが更新されると、Spaceの内容も自動で更新されます。手動同期は不要です。

公式アナウンス(GitHub Blog, 2025年9月24日)では、Spacesを「プロジェクト固有のコンテキストを組み合わせるための安全な領域」と説明しています。

容量制限には注意

ただし、登録できる総容量は約300KB程度とかなり厳しい制限があります。IssueやPRのコメント量が多い場合、それだけで容量を圧迫してしまいます。

今後のアップデートで容量が拡張されることを期待したいところです。


Spacesの活用例

Spacesを使うことで、Copilotがより「自分たちのプロジェクトを理解した回答」を返してくれるようになります。
たとえば、次のような活用が考えられます。

活用シーン内容
コーディング規約の共有命名規則・レビュー方針などをInstructionsに書き、Copilotの提案を組織ルールに寄せる。
設計情報の参照アーキテクチャや設計ドキュメントを登録し、「この関数の目的は?」と聞くと文脈を踏まえた回答が得られる。
FAQ・オンボーディング新メンバー向け情報を登録して、Copilotを“社内FAQ”のように使う。
PR/Issueの履歴を参照過去の議論や背景を取り込み、Copilotに「なぜこの仕様になったのか?」を尋ねられる。

VS Codeからの利用も可能です。
GitHub MCPサーバを設定すれば、エディタ上から「Spacesの内容を参照して質問」ができます。
(設定方法はGitHub Docsの公式手順を参照)

※どこのspacesか指定しないと参照してくれないことがありました。


Instructions登録やKnowledge Baseとの違い

Spacesは、Repositoryに置くinstructions.mdや旧「Knowledge Base」と似ています。
しかし、実際には次のような違いがあります。

項目Knowledge BaseCopilot Spaces
所有者組織(Enterpriseプラン)限定個人/組織どちらでも利用可
登録対象主にMarkdownドキュメントコード・Issue・PR・任意ファイルなど幅広い
更新方法手動で再登録が必要リポジトリ更新で自動同期
共有組織単位個人またはチーム単位で柔軟に設定
状態2025年11月1日で廃止予定今後の標準機能として継続

Knowledge Baseの終了については、GitHub Blog (2025年8月20日)で正式にアナウンスされています。
Spacesがその後継として正式に全プランで利用可能になった形です。


使ってみた感想・まとめ

実際に触ってみると、以下のような印象を受けました。

  • 小規模な知識共有に最適
    ルールやFAQのようなテキストを整理するのに向いている。
  • 容量がネック
    300KB制限は正直厳しく、長いIssueコメントを含めるとすぐ一杯になる。
  • VS Code連携は便利
    “今開いているコードに関連する質問をSpace経由で投げられる”のは強力。
  • モデル応答が文脈的になる
    登録した情報を踏まえた回答が増え、Copilotの精度が向上する体感がある。

一方で、より大規模なドキュメント管理にはまだ向かない印象です。
将来的には「検索インデックス化」「大容量対応」などの拡張が期待されます。

まとめ

GitHub Copilot Spacesは、これまでのKnowledge Baseを進化させた“プロジェクト文脈の共有基盤”です。
組織のナレッジをCopilotに統合できる点は非常に魅力的で、「AIにチーム文化を理解させる」ための追加施策とも言えます。

ただし、現状では容量が少なく、本格的なナレッジベースとして使うには制約があります。

それでもGA直後の今は、機能強化の余地が大きいタイミング。
100MBクラスの容量とインデックス対応が実装されれば、一気に実用性が高まるでしょう。

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